膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の最新知見
膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)膵上皮内腫瘍性病変(PanIN)および浸潤性膵管癌(IDC)の組織発生
福嶋 敬宜
1
1東京大学 大学院人体病理学・病理診断学
キーワード:
腫瘍侵入性
,
上皮内癌
,
膵管癌
,
Hematoxylin-Eosin染色
,
膵管内乳頭腫瘍
Keyword:
Carcinoma in Situ
,
Neoplasm Invasiveness
,
Carcinoma, Pancreatic Ductal
pp.476-482
発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008184838
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膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)と浸潤性膵管癌(IDC)は組織発生上の類似性がうかがわれるものの、完成された病変における臨床病理学的特徴には大きな相違がある。IDCの前駆病変と考えられている膵上皮内腫瘍性病変(PanIN)とIPMNの高異型度病変との分子レベルの違いは、SMAD4,MUC1,MUC2などにみられるが、低異型度病変では必ずしもその区別は明確ではない。それぞれの組織発生に関する知見を集積し、分子レベルでの両者の異同を明確にすることが、今後の新たな治療戦略につながるものと考えられる。
©Nankodo Co., Ltd., 2008