炎症性腸疾患-ファーストタッチから長期マネジメントまで 炎症性腸疾患治療の実際
潰瘍性大腸炎の寛解導入療法 重症例および5-ASA無効例・不耐例の治療
仲瀬 裕志
1
1京都大学医学部附属病院 内視鏡部
キーワード:
Clostridium difficile
,
Clostridium Infection
,
Ciclosporin
,
サイトメガロウイルス感染症
,
高血圧
,
大腸炎-潰瘍性
,
免疫学的脱感作
,
薬物反応性低下
,
Tacrolimus
,
寛解導入
,
ドラッグモニタリング
,
Mesalazine
,
Infliximab
Keyword:
Infliximab
,
Cytomegalovirus Infections
,
Desensitization, Immunologic
,
Clostridium Infections
,
Colitis, Ulcerative
,
Drug Tolerance
,
Hypertension
,
Remission Induction
,
Tacrolimus
,
Clostridium difficile
,
Drug Monitoring
,
Cyclosporine
,
Mesalamine
pp.579-583
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016019446
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重症潰瘍性大腸炎治療の原則は入院治療である.経口prednisoloneが反応しない場合,経静脈的ステロイド投与を考慮する.しかしながら,ステロイド治療を7~14日間行っても反応しないステロイド抵抗症例にはciclosporinの持続点滴,tacrolimusおよび生物学的製剤の投与に踏み切る.重症潰瘍性大腸炎患者の管理においては,常に外科医と連携をとり,内科的治療に抵抗性であると判断した場合には,すみやかに外科的治療を考慮する.重症潰瘍性大腸炎治療のもっとも重要な点は,"見極め"である.5-ASAの不耐例では,脱感作療法も考慮すべきであるが,投与量の増加に伴い副作用が生じる可能性が高い.したがって,寛解維持には症状に応じてプロバイオティクスや免疫調節薬が必要となる.
©Nankodo Co., Ltd., 2015