急性膵炎-診療ガイドラインの改訂を受けて
急性膵炎発症・進展のメカニズム
西野 博一
1
1東京慈恵会医科大学
キーワード:
自食作用
,
Calcium
,
Cytokines
,
NF-Kappa B
,
Trypsinogen
,
膵炎
,
自然免疫
,
Chemokines
,
酸化ストレス
,
腺房細胞
Keyword:
Autophagy
,
Immunity, Innate
,
Pancreatitis
,
NF-kappa B
,
Cytokines
,
Chemokines
,
Oxidative Stress
,
Acinar Cells
,
Calcium
,
Trypsinogen
pp.503-508
発行日 2016年4月20日
Published Date 2016/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016251533
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急性膵炎は,1896年にChiariが,膵臓の自己消化を報告したのが始まりである.1901年Opieは,感染胆汁が膵管内に逆流し急性出血性膵炎が惹起されることを提唱した.1984年以降,急性膵炎発症機序を膵腺房細胞内に模索する研究へと展開した.その後の研究の進歩により,急性膵炎発症機序はトリプシン中心説から多因子説へと大きく変遷してきている.また近年,急性膵炎進展因子として,サイトカイン,ケモカインのみならず,damage-associated molecular patterns(DAMPs)の関与が注目されている.今後,新しい研究モデルを用い,さらなる進歩が期待されている.本稿では,これら急性膵炎発症・進展のメカニズムを,とくに発症機序を中心に進歩を踏まえて概説する.
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