PSCとPBC-診断と治療の進歩
原発性硬化性胆管炎(PSC) PSCの疫学と予後
田中 篤
1
1帝京大学 医学部内科
キーワード:
胆管炎-硬化性
,
胆管癌
,
胆管腫瘍
,
胆嚢疾患
,
発生率
,
ポリープ
,
有病率
,
性別分布
,
年齢分布
,
胆石
,
胆嚢結石症
Keyword:
Bile Duct Neoplasms
,
Gallbladder Diseases
,
Polyps
,
Cholangitis, Sclerosing
,
Incidence
,
Prevalence
,
Cholangiocarcinoma
,
Age Distribution
,
Sex Distribution
,
Gallstones
,
Cholecystolithiasis
pp.1429-1434
発行日 2014年9月20日
Published Date 2014/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015007613
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全国調査の結果から本邦の10万人当り原発性硬化性胆管炎(PSC)有病率は0.95と算出され,欧米よりも少ないが,近年増加傾向にあると推定される.診断時年齢分布にはIgG4関連硬化性胆管炎を除外してもなお,若年層・高齢層に二峰性のピークがみられる.炎症性腸疾患の合併頻度は欧米と比較して低く,全体の34%であるが,若年・高齢における合併率はそれぞれ57%・12%であり,ことに高齢発症PSCにおいて低率であった.この高齢発症のPSCの存在が本邦の特徴であると思われる.胆管細胞癌の合併は全体の7.3%であり,合併症例の多くはPSCの診断から1年以内に発見されていた.5年・10年移植なし生存率はそれぞれ74.5%,63.8%であった.
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