機能性消化管疾患-病態の解明と新たな治療
機能性消化管疾患と発症機序 機能性ディスペプシアとヘリコバクターピロリ感染症
鈴木 秀和
1
,
松崎 潤太郎
1慶応義塾大学 医学部内科学(消化器)
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
胃炎
,
抗細菌剤
,
遺伝子多型
,
多剤併用療法
,
治療成績
,
Non-Ulcer Dyspepsia
,
Proton Pump Inhibitors
,
Ghrelin
,
除菌療法
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Drug Therapy, Combination
,
Gastritis
,
Polymorphism, Genetic
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
Treatment Outcome
,
Ghrelin
,
Proton Pump Inhibitors
pp.211-215
発行日 2015年1月20日
Published Date 2015/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015140029
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Helicobacter pylor(H.pylori)除菌治療によりディスペプシア症状が消失し,その後12ヵ月経過しても症状再発がみられない場合は,H.pylori関連ディスペプシア(H.pylori-associated dyspepsia;HpD)という用語で機能性ディスペプシアは明確に区別することが,2014年1月末の京都の会議で,最終的に国際的なコンセンサスとなった.H.pylori感染により生じる胃粘膜中の酸化ストレスはディスペプシア症状と相関があり,グレリン分泌や胃平滑筋層での筋特異的マイクロRNAの発現変化などを介して胃運動障害を引き起こす.ただしH.pylori陽性ディスペプシア患者のうち除菌治療によって症状改善を達成しうるのは13人に1人と限定的効果である点に留意する必要がある.
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