特集 進化するEUS
診断的EUS 総論 診断的EUSの進化と今後の展望
北野 雅之
1
,
江守 智哉
1和歌山県立医科大学 第二内科
キーワード:
膵臓疾患
,
膵臓腫瘍
,
膵嚢胞
,
胆道疾患
,
アルゴリズム
,
地域社会ネットワーク
,
超音波内視鏡検査
,
ハーモニックイメージング
,
早期診断
,
膵炎-慢性
,
組織弾性イメージング
,
腫瘍の早期診断
,
超音波内視鏡下穿刺吸引法
,
超音波造影検査
Keyword:
Community Networks
,
Endosonography
,
Biliary Tract Diseases
,
Algorithms
,
Pancreatic Cyst
,
Pancreatic Diseases
,
Pancreatic Neoplasms
,
Endoscopic Ultrasound-Guided Fine Needle Aspiration
,
Elasticity Imaging Techniques
,
Early Diagnosis
,
Pancreatitis, Chronic
,
Early Detection of Cancer
pp.1632-1639
発行日 2020年11月25日
Published Date 2020/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021056138
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1980年代初頭の開発当初より、超音波内視鏡検査(EUS)は空間分解能に優れているため、超音波検査(US)、CT、MRIでは検出できない小病変の存在診断に有用とされてきた。他の画像診断で膵嚢胞や主膵管狭窄・拡張、膵実質の萎縮などの間接所見が認められた場合にはEUSでの精査がすすめられる。最近の技術革新に伴い、造影による血流評価やエラストグラフィーによる硬度測定が行えるようになり、質的診断能が向上した。今後もさらなる技術革新により病理組織に近い画像が得られることが期待される。EUS下穿刺吸引法(EUS-FNA)では、穿刺針や組織採取法の開発により、組織診断の精度は向上している。また、抗腫瘍薬の選択につながる遺伝子診断へ発展することも予想される。全国的に病診連携プロジェクトが普及し病診・病々間での情報提供が円滑になることで、EUSが精査で積極的に用いられ、今後の膵癌早期発見につながることが望まれる。
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