消化器診療-30年と今後の展望
胃領域の変遷と展望 内科
菅野 健太郎
1
1自治医科大学附属病院 消化器肝臓内科
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
胃潰瘍
,
胃腫瘍
,
多剤併用療法
,
非ステロイド系抗炎症剤
,
近代医学史
,
Non-Ulcer Dyspepsia
,
Proton Pump Inhibitors
,
Acotiamide
,
除菌療法
Keyword:
Anti-Inflammatory Agents, Non-Steroidal
,
Drug Therapy, Combination
,
Stomach Neoplasms
,
Stomach Ulcer
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
History, Modern 1601-
,
Proton Pump Inhibitors
,
Z 338
pp.23-30
発行日 2014年12月20日
Published Date 2014/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015108242
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強力な酸分泌抑制薬の開発,Helicobacter pylori(HP)の発見によって,過去30年間に胃に関する消化器診療には革命的変化が起きた.HPの除菌により,消化性潰瘍患者数ならびに医療費が大幅に減少し,HP感染症が胃癌のもっとも重要な原因であることが明らかにされた.HP胃炎除菌治療の保険認可により,胃癌の制圧もすでに視野に入っている.残された課題である機能性ディスペプシアは,アコチアミドの開発を突破口として,消化管機能の神経性制御機構の解明が必要である.将来的戦略としては,摂食と腸内細菌を含めた脳-腸-腸内細菌叢の研究を展開することが,単に消化器疾患に限らず,生活習慣病やアレルギー免疫疾患を予防・制御するうえでも重要である.
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