慢性膵炎-新しい概念と診断・治療の展開
早期慢性膵炎
伊藤 鉄英
1
,
五十嵐 久人
,
新名 雄介
,
肱岡 真之
,
中村 太一
,
高柳 涼一
1九州大学 大学院医学研究院病態制御内科
キーワード:
予後
,
膵炎-慢性
Keyword:
Prognosis
,
Pancreatitis, Chronic
pp.539-544
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014195108
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2009年に厚生労働省難治性膵疾患に関する調査班,日本膵臓学会,および日本消化器病学会により慢性膵炎臨床診断基準が改訂された.本基準では新たな試みとして早期慢性膵炎の疾患概念を取り入れた.確診および準確診にはあてはまらないが,上腹部痛発作,膵酵素値の異常,膵外分泌障害,持続する飲酒歴(80g/day)のいずれか2項目以上を有し,かつ早期慢性膵炎の画像所見を有する症例と定義した.現時点では実態把握は困難だが,厚生労働省難治性膵疾患に関する調査班で早期慢性膵炎の前向き調査が施行されている.中間結果から,早期の慢性膵炎の拾い上げと,早期からの治療・生活指導は慢性膵炎患者のQOLを改善し,膵炎進行を阻止できる可能性を示唆している.
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