慢性膵炎-新しい概念と診断・治療の展開
膵外分泌機能障害
丹藤 雄介
1
,
松本 敦史
,
松橋 有紀
,
田中 光
,
柳町 幸
,
中村 光男
1弘前大学 大学院保健学研究科生体機能科学分野
キーワード:
Chymotrypsin
,
Secretin
,
栄養障害
,
膵機能検査
,
予後
,
検便
,
膵炎-慢性
,
酵素補充療法
,
消化酵素
Keyword:
Pancreatic Function Tests
,
Nutrition Disorders
,
Secretin
,
Prognosis
,
Pancreatitis, Chronic
,
Enzyme Replacement Therapy
,
Combizym
,
Chymotrypsin
pp.557-563
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014195111
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膵外分泌機能は大きな予備能をもっている.慢性膵炎では進行性の膵実質の線維化が原因となり,膵外分泌機能の低下が生じる.膵外分泌機能不全は脂肪便によって診断できるが,軽度の機能低下を早期に診断するのは困難である.消化吸収不良は膵酵素分泌が正常の10?20%以下に低下するまで生じない.普及しているPFD(pancreatic function diagnostant)試験における機能低下と機能不全の鑑別基準は明らかではない.安定同位体13Cを用いた新しい検査方法が報告されているが,この方法においても軽度の機能低下の診断は困難である.機能不全に対しては膵酵素補充療法が行われるが,膵酵素の必要量は摂食量に依存するため食事内容の評価も重要である.不足している栄養素の直接補充も行われる.
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