慢性膵炎-新しい概念と診断・治療の展開
慢性膵炎の外科治療
種村 彰洋
1
,
信岡 祐
,
伊佐地 秀司
1三重大学 肝胆膵・移植外科
キーワード:
膵空腸吻合術
,
膵切除
,
外科的減圧
,
膵炎-慢性
Keyword:
Pancreatectomy
,
Pancreaticojejunostomy
,
Decompression, Surgical
,
Pancreatitis, Chronic
pp.591-598
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014195116
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慢性膵炎に対する外科的治療の適応は,ガイドラインによれば内視鏡的治療不成功例となっている.しかし,内視鏡的治療のみでは長期の除痛効果は不十分であることが指摘されており,内視鏡的治療困難例に対しては早期に外科手術を考慮すべきと考えられる.また悪性との鑑別を要する例や胆道,十二指腸狭窄など多臓器合併症を伴う例では最初から外科的治療を考慮すべきである.慢性膵炎に対する術式は膵切除術,膵管減圧術,病巣切除と膵管減圧を兼ね備えたFrey手術やBeger手術などのハイブリッド手術に分類される.膵切除術とハイブリッド手術では後者が効果,安全性ともに優れており,第一選択と考えられる.一方Frey手術とBeger手術の比較では,いずれの術式も良好な除痛効果が得られるが,Frey手術のほうが手術の容易性,安全性の観点からは有用であると考えられる.
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