特集 悪性上皮系腫瘍
肛門管癌より生じた続発性乳房外Paget病 原発性乳房外Paget病との臨床的な相違点について
村上 拓生
1
,
緒方 大
,
中村 晃一郎
,
倉持 朗
,
土田 哲也
1埼玉医科大学 皮膚科
キーワード:
Paget病-乳房外
,
外科的皮膚弁
,
肛門腫瘍
,
皮膚腫瘍
,
免疫組織化学
,
直腸切断術
Keyword:
Anus Neoplasms
,
Immunohistochemistry
,
Paget Disease, Extramammary
,
Surgical Flaps
,
Skin Neoplasms
pp.1381-1384
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016373710
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67歳女。肛門周囲の褐色斑を主訴とした。2年前より肛門3時方向の小結節と周囲の紅斑を自覚していたが、徐々に紅斑が拡大し、近医で原発性乳房外Paget病(原発性P病)と診断された。その後の精査で肛門管癌による続発性乳房外Paget病(続発性P病)と診断され、紹介受診時には肛門全周性の褐色斑が一部外陰部方向にも広がり、肛門の3時と7時方向に小結節を認めた。肛門部の腫瘍と会陰部病変を切除し、術後1年経過現在、腫瘍の再発、転移は認めていない。また、過去5年間の肛門周囲乳房外Paget病6症例を振り返り検討した結果、原発性P病の皮疹は肛門の辺縁に限局していたのに対し、続発性P病の皮疹は肛門全周性であり、臨床所見にも特徴的な違いがみられることが示唆された。
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