下部直腸・肛門部疾患の診断と治療
粘膜脱症候群
横山 薫
1
,
中目 哲平
,
大岡 正平
,
迎 美幸
,
佐田 美和
,
小林 清典
1北里大学東病院 消化器内科
キーワード:
大腸内視鏡法
,
鑑別診断
,
排便
,
性別分布
,
年齢分布
,
直腸固定術
,
低位前方切除
,
粘膜脱症候群
Keyword:
Colonoscopy
,
Diagnosis, Differential
,
Defecation
,
Age Distribution
,
Sex Distribution
pp.1487-1492
発行日 2013年9月20日
Published Date 2013/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013377635
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粘膜脱症候群(mucosal prolapse syndrome;MPS)は直腸粘膜の逸脱により同部に潰瘍や隆起などの病変をきたす慢性疾患である.本症の発生には排便時の過度のいきみ(straining)が関与しており,診断には排便習慣の詳細な問診が必要である.大腸内視鏡による肉眼的形態は,隆起型,潰瘍型,平坦型に分類され,隆起型がもっとも多い.また病変の好発部位は下部直腸(Rb)である.病変部からの生検組織で,粘膜固有層内に線維筋症(fibromuscular obliteration)を認めればMPSの診断根拠となる.治療は過度のいきみを制限し,排便習慣を是正することである.
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