PSCとPBC-診断と治療の進歩
原発性硬化性胆管炎(PSC) PSCとIgG4関連硬化性胆管炎との鑑別
神澤 輝実
1
,
来間 佐和子
,
田畑 拓久
,
岩崎 将
,
千葉 和郎
,
小泉 理美
1がん・感染症センター都立駒込病院 内科
キーワード:
IgG
,
血液学的検査
,
高ガンマグロブリン血症
,
鑑別診断
,
生検
,
胆管炎-硬化性
,
内視鏡的逆行性胆道膵管造影
,
免疫組織化学
,
性別分布
,
超音波内視鏡検査
,
年齢分布
,
管腔内超音波診断
Keyword:
Biopsy
,
Cholangiopancreatography, Endoscopic Retrograde
,
Diagnosis, Differential
,
Hematologic Tests
,
Hypergammaglobulinemia
,
Immunohistochemistry
,
Immunoglobulin G
,
Cholangitis, Sclerosing
,
Age Distribution
,
Sex Distribution
,
Endosonography
pp.1435-1441
発行日 2014年9月20日
Published Date 2014/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015007614
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原発性硬化性胆管炎(PSC)の病変は,肝内の小-大型胆管や肝外胆管に広範囲に多発し,胆管被覆上皮はしばしば傷害される.IgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-SC)の病変は,大型胆管にみられ,胆管上皮は保たれる.肝・胆管・乳頭部生検にて多数のIgG4陽性形質細胞浸潤を認めた場合,IgG4-SCの可能性が高い.PSCの発症年齢は二峰性で,しばしば炎症性腸疾患を伴う.IgG4-SCは高齢の男性に多く,しばしば自己免疫性膵炎を含む他のIgG4関連疾患の合併を認める.血中IgG4値の上昇は,IgG4-SCで高頻度に認められる.肝内胆管に病巣のあるIgG4-SCは,PSCと類似の画像を呈するが,胆管像の詳細な検討や管腔内超音波による胆管壁所見は,両者の鑑別に有用である.IgG4-SCはステロイドが奏効し,その治療効果は診断のオプションとなる.
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