栄養代謝制御における消化管生理活性ペプチドの役割
栄養代謝統御におけるコレシストキニン(CCK)の役割 CCKの食欲抑制作用とその機序、栄養代謝制御における生理的役割
宮坂 京子
1
,
船越 顕博
1東京家政大学 人間生活学大学院
キーワード:
Cholecystokinin
,
Neuropeptides
,
胃内容排出
,
エネルギー代謝
,
エネルギー摂取量
,
Cholecystokinin Receptors
,
食欲
,
摂食
,
接触阻止
,
体温調節
Keyword:
Energy Intake
,
Body Temperature Regulation
,
Appetite
,
Cholecystokinin
,
Contact Inhibition
,
Energy Metabolism
,
Eating
,
Gastric Emptying
,
Neuropeptides
,
Receptors, Cholecystokinin
pp.713-718
発行日 2013年5月20日
Published Date 2013/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013272241
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コレシストキニン(CCK)は,消化管ホルモンであると同時に,脳にも豊富に存在し,中枢性の摂食抑制作用を呈する物質として,最初に報告されたペプチドである.CCKの受容体にはCCK-1(A),-2(B)受容体の2種が存在し,摂食抑制効果はCCK-1(A)受容体を介して発現する.CCKの摂食抑制の機序は,おもに,上部消化管に分布する迷走神経求心路線維のCCK-1(A)受容体を介して迷走神経背側核へ情報が伝えられ,その情報が視床下部満腹中枢に伝達されることで発現すると考えられる.一方,CCK-1(A)受容体は,体熱産生と外界温度変化への適応にも関わっている.したがって,CCK-1(A)受容体を活性化させるリガンドの開発は,摂食抑制や肥満解消に役に立つかもしれない.
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