栄養代謝制御における消化管生理活性ペプチドの役割
PYY・PPの食欲抑制作用と臨床応用
蔡 明倫
1
,
浅川 明弘
,
乾 明夫
1鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科心身内科学
キーワード:
Pancreatic Polypeptide
,
Pro-Opiomelanocortin
,
エネルギー代謝
,
食欲
,
神経性やせ症
,
迷走神経
,
Peptide YY
,
Peptide YY (3-36)
Keyword:
Anorexia Nervosa
,
Appetite
,
Energy Metabolism
,
Pancreatic Polypeptide
,
Pro-Opiomelanocortin
,
Vagus Nerve
,
Peptide YY
,
Peptide YY (3-36)
pp.705-711
発行日 2013年5月20日
Published Date 2013/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013272240
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先進国だけでなく,一部の発展途上国でも肥満やそれに伴う耐糖能異常,高血圧,脂質異常症などが重複するメタボリックシンドロームの患者数の増加が社会問題化しつつある.エネルギーバランスの異常が病態に大きく関与すると考えられる.グレリンやpancreatic polypeptide(PP)ペプチドファミリーなどの食欲・体重調節ペプチドを中心に病態解析が進められている.PPおよびpeptide tyrosine-tyrosine(PYY)はおもにY4あるいはY2受容体を介して摂食抑制作用を示し,体重を減少させる.最近PYY3-36がヒトにおいては恒常性維持領域だけでなく,大脳辺縁系および高次大脳皮質領域の神経活動調節にも関与することが示されている.消化管を含めた末X臓器と摂食中枢との間で行われる食欲・体重調節機構の解明が,メタボリックシンドロームの病態の解明や治療につながることが期待される.
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