消化器癌化学療法-新たなエビデンスを求めて
膵癌周術期補助療法の現状と新展開
福冨 晃
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1静岡県立静岡がんセンター 消化器内科
キーワード:
Fluorouracil
,
腫瘍多剤併用療法
,
膵臓腫瘍
,
アジュバント化学療法
,
ランダム化比較試験
,
ネオアジュバント療法
,
Gemcitabine
,
TS-1
,
放射線化学療法
,
アジュバント放射線化学療法
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Fluorouracil
,
Pancreatic Neoplasms
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
Neoadjuvant Therapy
,
Chemoradiotherapy, Adjuvant
,
Chemoradiotherapy
,
Gemcitabine
pp.297-307
発行日 2013年2月20日
Published Date 2013/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013179659
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膵癌切除後の世界的な標準治療はゲムシタビンによる術後補助化学療法である.一方,放射線治療の意義についてはコンセンサスが得られていない.術後補助療法により手術成績は向上したものの,根治切除後の予後は未だ不良である.近年,新たな治療開発の対象として「borderline resectable」が提唱されており,「切除可能」あるいは「borderline resectable」の膵癌を対象とした術前補助療法の開発も試みられている.しかし,これまで大規模なランダム化試験は報告されておらず,未だに国際的にコンセンスの得られた「borderline resectable」の定義もない.術前療法の有用性は,切除基準に関する適切な定義を用いた前向きの臨床試験によって明らかにされるべきであろう.
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