透析骨症revival-その治療の展開
最近登場したカルシウム・リン・PTH治療薬の特徴とその適応患者 Calcimimetics
横山 啓太郎
1
1東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科
キーワード:
血液透析
,
副甲状腺機能亢進症-続発性
,
心筋症-肥大性
,
腎不全-慢性
,
臨床試験
,
Cinacalcet
,
Calcimimetics
,
血管石灰化
,
Etelcalcetide
Keyword:
Cinacalcet Hydrochloride
,
Cardiomyopathy, Hypertrophic
,
Clinical Trials as Topic
,
Hyperparathyroidism, Secondary
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Vascular Calcification
,
Calcimimetic Agents
,
AMG-416
pp.1623-1633
発行日 2016年12月10日
Published Date 2016/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2017084629
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Calcimimeticsであるシナカルセト塩酸塩は副甲状腺の主細胞に働き副甲状腺ホルモン(PTH)分泌を抑制するのみならず,活性型ビタミンDと異なり,血中リン(P),カルシウム(Ca)に対する低下作用も認められている.そのため,血管石灰化に抑制的に作用することが期待されている.腎不全モデル動物において,calcimimeticsが血管に発現するカルシウム感知受容体(CaSR)を介し血管石灰化を抑制することが報告されている.EVOLVE試験は透析患者を対象として,シナカルセト塩酸塩の血管石灰化および心血管合併症の抑制効果を評価した.EVOLVE試験の後解析においてシナカルセト塩酸塩のアテローム型内膜石灰化関連病変(心筋梗塞,非出血性脳梗塞,不安定狭心症による入院,末梢動脈硬化性病変,心臓カテーテルによる死亡,大動脈瘤破裂,解離性大動脈瘤)には効果を認めなかったが,メンケベルグ型中膜石灰化関連病変(心不全,脳出血,突然死,肺梗塞,その他)に対する効果が見出された.現在使用可能なシナカルセト塩酸塩が有する消化器症状の副作用が軽減された新規calcimimeticsが近々上市される予定である.
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