透析骨症revival-その治療の展開
最近登場したカルシウム・リン・PTH治療薬の特徴とその適応患者 リン低下薬 鉄製剤 b.スクロオキシ水酸化鉄
小岩 文彦
1
,
水上 礼
,
丸田 雄一
1昭和大学藤が丘病院 腎臓内科
キーワード:
血液透析
,
腎不全-慢性
,
分子構造
,
臨床試験
,
高リン酸血症
,
Sucroferric Oxyhydroxide
Keyword:
Clinical Trials as Topic
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Molecular Structure
,
Hyperphosphatemia
,
Sucroferric Oxyhydroxide
pp.1615-1621
発行日 2016年12月10日
Published Date 2016/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2017084628
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スクロオキシ水酸化鉄は国内でクエン酸第二鉄に次いで登場した鉄含有リン吸着薬で,消化管内で鉄が電離せずに構造体に残存し,多核性の酸化水酸化鉄の配位子がリン酸と交換して結合しリン吸収を抑制するため,クエン酸第二鉄とリン吸着の機序が異なる.臨床試験では1日750mgの最小用量から用量依存性にリン低下効果を示し,セベラマーと比較して低用量,少ない錠数で同等の効果を認めた.おもな副作用は下痢で鉄代謝への影響も軽度であり,スクロオキシ水酸化鉄の適応は服薬錠数の減少や不十分なリン管理に対する変更,追加と思われる.ただし,鉄過剰が疑われる患者への投与は慎重に行うべきである.
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