高齢化のなかでのCKD-MBDにどう対応するか?
軟部組織の石灰化 血管以外
塚本 雄介
1
1板橋中央総合病院 腎臓内科
キーワード:
カルシフィラキシー
,
血液透析
,
結合組織疾患
,
石灰沈着症
,
副甲状腺摘出術
,
Cinacalcet
,
慢性腎臓病
Keyword:
Cinacalcet Hydrochloride
,
Calciphylaxis
,
Calcinosis
,
Connective Tissue Diseases
,
Renal Dialysis
,
Parathyroidectomy
,
Renal Insufficiency, Chronic
pp.677-684
発行日 2016年6月10日
Published Date 2016/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016288272
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骨外石灰化は異所性石灰化と病的石灰化に分類され,前者にはその臓器により腫瘤状石灰化,関節(滑膜)または関節周囲石灰化,結膜石灰化,内臓石灰化がある.後者では血管石灰化と腎石灰化がおもな例である.また皮膚の細動脈の石灰化により全身の皮膚潰瘍を起こすカルシフィラキシーという病態や,急速に肺胞毛細血管が石灰化することにより呼吸不全に陥る肺カルシフィラキシーというまれな病態も存在する.透析患者における骨外石灰化の多くが高リン(P)血症が原因となるのに対し,カルシフィラキシーは高カルシウム(Ca)血症が重要で,そのほかの危険因子としてワルファリンの投与やprotein SまたはC欠損のような凝固系の異常がある場合も報告されている.血管以外の軟部組織の石灰化については,加齢の影響について論じた報告はとくに見当たらず,高齢者に特有な発症形態は指摘できない.
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