難病指定腎疾患-保存期CKDと腎代替療法期における管理
免疫機能異常に由来する疾患 ループス腎炎
軽部 美穂
1
,
要 伸也
1杏林大学 第一内科
キーワード:
腎臓移植
,
免疫抑制剤
,
腎炎-ループス
,
腎置換療法
,
難病
Keyword:
Catastrophic Illness
,
Immunosuppressive Agents
,
Lupus Nephritis
,
Kidney Transplantation
,
Renal Replacement Therapy
pp.431-438
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016238904
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ループス腎炎は難病腎疾患の代表的な疾患である.治療の進歩にて全身性エリテマトーデス(SLE)の生命予後は大きく向上しているが,ループス腎炎を原因とした急速進行性糸球体腎炎(RPGN)や治療の遅れ,難治例による末期腎不全にて透析導入となった症例数はむしろ増加している.末期腎不全を回避するためには,初期治療(寛解導入)がもっとも重要であるが,その後の維持療法期間も再燃防止に努める必要がある.保存期CKDでは,疾患活動性が安定していればステロイド薬の少量維持が基本であり,ACE阻害薬またはARB薬を早期から使用する.腎代替療法期にはburn outすることが多いが再燃する場合もあるので注意深く観察する.SLEの腎移植療法は成績もよく,近年積極的に行われている.
Copyright © 2016, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.