高齢・超高齢透析患者の致死的感染症
特殊な感染症 粟粒結核
船越 哲
1
,
原田 孝司
1衆和会長崎腎病院
キーワード:
Mycobacterium tuberculosis
,
血液透析
,
抗結核剤
,
結核-粟粒
,
多剤併用療法
,
胸部CT
Keyword:
Antitubercular Agents
,
Drug Therapy, Combination
,
Renal Dialysis
,
Mycobacterium tuberculosis
,
Tuberculosis, Miliary
pp.224-227
発行日 2016年2月10日
Published Date 2016/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016206391
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透析患者の結核症は一般人よりはるかに多く,その特徴としては肺外結核や粟粒結核が多い.今回われわれは,水疱性類天疱瘡治療のためプレドニゾロン8mgを内服中の81歳,女性に発症した粟粒結核を経験した.発熱とCRP高値,また胸部CTで両肺に微細な粒状影が多数認められ,搬送先の呼吸器専門機関にて喀痰・胃液のPCRで結核感染が確定診断された.INH 150mg/day,RFP 300mg/day,EB 500mg/透析後で開始し,患者の全身状態は改善した.透析患者の場合,陳旧性結核が転移源となって肺内播種する粟粒結核(内因性再燃)が多いため,「まず疑ってかかること」が早期発見・治療のうえで重要と思われた.
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