透析患者の致死的不整脈-診断・治療・予防
非薬物療法 除細動(ICD、CRT-D、AED)
水城 隆
1
,
庄田 守男
1東京女子医科大学附属病院 循環器内科
キーワード:
血液透析
,
心室細動
,
腎不全-慢性
,
電気的除細動
,
植込み型除細動器
,
治療成績
,
補綴関連感染症
Keyword:
Electric Countershock
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Ventricular Fibrillation
,
Defibrillators, Implantable
,
Prosthesis-Related Infections
,
Treatment Outcome
pp.453-458
発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015209950
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
AED/ICD/CRT-Dは頻脈性の致死的不整脈に対する治療である.これまでの大規模臨床研究によりICD/CRT-Dの生命予後改善効果が示された.しかし,これらの研究の大部分は腎機能低下患者,透析患者は対象から除外されている.透析患者のICD/CRT-Dの有用性は確立しておらず,非透析患者と比較してICD/CRT-Dによる生命予後改善効果が乏しいとの報告もある.その原因として,透析患者の予後がもともと悪いこと,透析患者の高齢化,非心臓死が多いこと,感染症の合併率が高いことが挙げられる.とくに注意すべき合併症の一つにデバイス感染症がある.もともと透析患者は菌血症のハイリスク群でありそれと関連しデバイス感染症も非透析患者に比較して明らかに高い.デバイス感染症は致死的であり,感染予防のため十分留意する必要がある.そのほか,透析患者特有のICDに関する問題点を概説した.今後,透析患者におけるICD/CRT-Dの有用性を検証するため,透析患者を対象とした前向き臨床試験が待たれるところである.
Copyright © 2015, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.