発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004211505
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11歳男.身長124cm,体重20kg,6歳時に心電図の異常Q波を指摘され,心エコーの結果,肥大型心筋症と診断されていた.走っている最中に突然意識消失を起こし倒れた.父親が心肺蘇生を行い,14日目に意識を回復し紹介入院となった.心電図所見は67/分の洞調律で,III,aVfに異常Q波を認めた.QRS軸は26°,QTc値は0.430と正常範囲であった.経胸壁心エコー所見は心室中隔および後側壁の心筋肥厚が著明であり,心室細動の既往および心エコー結果から植え込み型除細動器(ICD)の適応に問題はないと判断し,術前の誘発試験は施行しなかった.全麻下に左鎖骨下部を切開し,橈側皮静脈から静脈切開法でシングルコイルリードを挿入し,ICD本体を大胸筋下に移植し,心室細動の誘発とその除細動に成功した.除細動閾値は12Jであった.植え込み術後2年を経過したが,合併症の発生はなく,外来通院中である
©Nankodo Co., Ltd., 2004