特集 植込みデバイスによる不整脈・心不全の診断・治療はどう変貌したか-現状と将来の展望-
治す ICD、CRT-D植込み時の注意点
石田 祐司
1
,
佐々木 真吾
1弘前大学 大学院医学研究科循環器腎臓内科学講座
キーワード:
壊死
,
横隔神経
,
気胸
,
血胸
,
血腫
,
術後合併症
,
電気的除細動
,
植込み型除細動器
,
補綴関連感染症
,
周術期管理
,
心臓再同期療法装置
Keyword:
Electric Countershock
,
Hemothorax
,
Hematoma
,
Necrosis
,
Postoperative Complications
,
Phrenic Nerve
,
Pneumothorax
,
Prosthesis-Related Infections
,
Defibrillators, Implantable
,
Perioperative Care
,
Cardiac Resynchronization Therapy Devices
pp.186-191
発行日 2017年2月9日
Published Date 2017/2/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017130945
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わが国では1996年に植込み型除細動器(i m p l a n t a b l e c a r d i o v e r t e r defibrillator;ICD)が保険償還されて以降,2004年に心臓再同期療法(cardiac resynchronization therapy;CRT)が,2006年に両室ペーシング機能付き植 込み型除細動器(cardiac resynchronization therapy defibrillator;CRT-D) が使用可能となり,その植込み台数は飛躍的増加を遂げた。その背景には一次予 防例への適応拡大のみならず,透析例や併存疾患を有する高齢者など,デバイス 植込み時の合併症リスクが高いと考えられる症例への植込み数の増加が寄与して いることは想像に難くない。一方,植込み数の増加とともに植込み時の合併症も 増加している。一般的にペースメーカに比べICD/CRTデバイスのジェネレー ター容積は大きく,ショックリードは径が太く固いこと,さらにCRTデバイス においてはリード数の増加・手技の複雑さのため,血腫や感染などのデバイス植 込み後の合併症の割合が増加していると考えられる。 デバイス治療の実践において重要なことは,①デバイスが適用される患者の臨床 背景を十分に理解し,②使用するデバイスの特性(利点・欠点)を習熟し,③個々 の患者に適切なデバイス治療を選択し,実施することである。 本稿では植込み時の注意点として感染症や血腫など主要なデバイス関連合併症に 対する対策について概説する。
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