糖尿病性腎症への進歩した腎代替療法-その標準化と個別化
合併症とその対策 骨・関節病変の予防と対策
辻本 吉広
1
,
田畑 勉
,
田原 英樹
,
庄司 哲雄
,
絵本 正憲
,
稲葉 雅章
1蒼龍会井上病院 内科
キーワード:
関節疾患
,
骨ジストロフィー-腎性
,
骨折
,
糖尿病性腎症
,
慢性腎臓病
,
血管石灰化
Keyword:
Diabetic Nephropathies
,
Joint Diseases
,
Chronic Kidney Disease-Mineral and Bone Disorder
,
Fractures, Bone
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Vascular Calcification
pp.111-118
発行日 2014年1月10日
Published Date 2014/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014108404
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
糖尿病の骨代謝の特徴として高血糖,インスリン不足,糖化最終産物のために副甲状腺機能低下や骨芽細胞機能低下を起こし骨回転が低下する.また糖化最終産物は骨でのコラーゲン架橋の劣化をもたらす.これらの結果,骨質劣化をもたらすと考えられている.糖尿病透析患者では非糖尿病透析患者に比べて骨折が多いことが報告されている.これは骨密度ではなく骨質劣化に起因すると考えられる.糖尿病,非糖尿病ともに透析患者の骨折には栄養状態の影響もあると思われる.また,透析患者の骨・ミネラル代謝異常は単に骨病変だけではなく血管石灰化などが関与することにより心血管合併症の発生にも注意が必要であるが,糖尿病透析患者では血管石灰化,心血管合併症の発生が多い.よってリン(P),カルシウム(Ca),副甲状腺ホルモン(PTH)の適正な管理,栄養状態の改善,積極的な血管石灰化のスクリーニング,血糖コントロールも含めた血管石灰化の予防が重要になる.
Copyright © 2014, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.