糖尿病性腎症への進歩した腎代替療法-その標準化と個別化
腎移植
池田 正博
1
,
齋藤 和英
,
中川 由紀
,
田崎 正行
,
高橋 公太
1新潟大学 大学院医歯学総合研究科腎泌尿器病態学分野
キーワード:
Ciclosporin
,
移植片拒絶
,
血液透析
,
再発
,
腎臓移植
,
術前診断
,
腎不全-慢性
,
糖尿病性腎症
,
治療成績
Keyword:
Diabetic Nephropathies
,
Graft Rejection
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Recurrence
,
Kidney Transplantation
,
Cyclosporine
,
Treatment Outcome
pp.119-126
発行日 2014年1月10日
Published Date 2014/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014108405
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
腎移植は免疫抑制薬の進歩などにより成績が向上しており,優れた腎代替療法として有用性が確立している.糖尿病性腎症(DM腎症)の慢性腎不全患者は,心血管疾患(CVD)による死亡リスクが高く,透析導入後の予後は非常に悪い.一方,腎移植では透析に比べて生命予後の改善が望める.さらに透析による合併症を避けて腎移植を行うことが,移植腎生着率・生存率の上昇につながる.DM腎症患者ではとくにCVDを含む合併症の評価が重要であり,術前に十分な精査を行う.術後は手術侵襲,免疫抑制薬などにより糖尿病が悪化することが多く,厳密な血糖コントロールが必要となる.またDM腎症の再発が腎生着率を低下させるため,移植後も長期にわたり糖尿病の治療が必要である.
Copyright © 2014, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.