糖尿病性腎症への進歩した腎代替療法-その標準化と個別化
合併症とその対策 貧血の治療
水口 隆
1
1川島病院
キーワード:
血液透析
,
腎不全-慢性
,
造血剤
,
糖尿病性腎症
,
診療ガイドライン
,
貧血-腎性
Keyword:
Diabetic Nephropathies
,
Kidney Failure, Chronic
,
Hematinics
,
Renal Dialysis
,
Practice Guidelines as Topic
pp.103-110
発行日 2014年1月10日
Published Date 2014/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014108403
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糖尿病性腎症に起因する腎不全患者では,非糖尿病の腎不全患者に比して腎不全早期に貧血が発症し,その程度も強い.ESA(erythropoiesis-stimulating agent)により貧血の治療が行われるが,貧血改善の目標レベルは糖尿病透析患者に特異的なものはない.透析患者の目標Hb値は海外では11~12g/dLが多いが,日本では10~11g/dLであり,糖尿病患者も同じである.糖尿病透析患者では,ESAによる貧血改善に伴う生命予後の改善が認められず,貧血改善の目標設定の標準化は困難である.その理由は,糖尿病患者は動脈硬化の程度が強く,心血管系の合併症も多いためと考えられる.したがって,患者個々の動脈硬化の状態を観察し,その状態に見合った貧血改善の目標を設定する必要がある.
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