糖尿病性腎症への進歩した腎代替療法-その標準化と個別化
糖尿病性腎症による末期慢性腎不全での腎代替療法の導入
大平 整爾
1
1札幌北クリニック
キーワード:
血液透析
,
腎臓移植
,
腎不全-慢性
,
生存率
,
糖尿病性腎症
,
腹膜透析
,
ブラッドアクセス
Keyword:
Diabetic Nephropathies
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Peritoneal Dialysis
,
Kidney Transplantation
,
Survival Rate
pp.27-34
発行日 2014年1月10日
Published Date 2014/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014108394
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1998年以降,透析へ導入される原因疾患として糖尿病(DM)が第1位を占め続けている.DMは持続的高血糖と代謝異常により,動脈硬化,網膜症,末梢神経障害を惹起し,ついには糖尿病性腎症(DMN)に至る.血管障害が先行しているため,腎機能が透析の必要性を判断するほどに低下した段階では心血管合併症を多くの患者が随伴している.このため,透析導入の可否決定には,心身の状態を総合的に把握する必要性が一段と高い.透析が選択された場合,DMN患者でHDとPDの間に生存率の差異はない.ただし,非DMN患者に対比するとDMN患者の生存率は明らかに不良な現況である.DMN患者では視力障害・起立性低血圧・VA管理の難しさ・認知症の発症などから,通院援助,入院・入所先,苦痛のない血液透析法や状況によっては透析の継続中止などを十分に検討しなければならない.この場合,十分に考慮された緩和ケアが続くことが前提である.
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