腎性貧血治療の新たな課題-ESA低反応性と鉄代謝異常
腎性貧血治療と鉄剤投与 鉄補充療法とESAの使い方
加藤 明彦
1
1浜松医科大学医学部附属病院 血液浄化療法部
キーワード:
炎症
,
感染
,
血管内皮
,
造血剤
,
鉄
,
動脈硬化症
,
投薬計画
,
免疫系疾患
,
薬物過剰摂取
,
肝炎-C型-慢性
,
血液透析濾過
,
酸化ストレス
,
鉄代謝障害
,
病勢悪化
,
貧血-腎性
,
Hepcidin (6-25)
Keyword:
Drug Administration Schedule
,
Arteriosclerosis
,
Endothelium, Vascular
,
Inflammation
,
Hematinics
,
Immune System Diseases
,
Infection
,
Hemodiafiltration
,
Oxidative Stress
,
Iron Metabolism Disorders
,
Hepatitis C, Chronic
,
Disease Progression
,
Drug Overdose
,
Hepcidin (6-25), Human
,
Iron
pp.1859-1866
発行日 2013年12月10日
Published Date 2013/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014077339
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鉄剤の静脈内投与は,生体内に酸化ストレスの亢進,血管内皮障害,炎症,免疫機能の低下を惹起する.臨床的には,過剰な鉄は動脈硬化の促進,慢性C型肝炎の増悪,ワクチンの抗体産生低下,細菌感染症の悪化をきたす可能性がある.したがって,C型肝炎,細菌感染を合併する場合は,鉄剤治療による有益性と危険性の両者を考慮し,慎重に投与する必要がある.鉄剤静注による酸化ストレスを軽減するためには,投与回数は必要最低限が望ましい.さらに,長期作用型ESAやオンラインHDFの使用により,ヘプシジン-25が低下する可能性がある.今後は,血液透析患者において安全性の高い鉄投与のプロトコールを確立することが課題である.
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