CRAS 心・腎・貧血の悪循環
腎性貧血の管理-至適Hb値と鉄剤の功罪
鈴木 祐介
1
,
富野 康日己
1順天堂大学 腎臓内科
キーワード:
Erythropoietin
,
Hemoglobins
,
鉄
,
鉄過剰症
,
貧血-腎性
Keyword:
Erythropoietin
,
Iron
,
Hemoglobins
,
Iron Overload
pp.61-65
発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009247943
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recombinant EPO(rHuEPO)の大量精製が実現化され、腎性貧血に対して積極的な治療介入が可能になり患者QOLは大幅に改善されたが、いまだ解決されるべき問題が多い。腎性貧血の積極的治療介入の意義は、腎および生命予後に非常に重要なためである。至適Hb値の実現には、それに要するrHuEPOの投与量も慎重に考える必要がある。本邦の透析患者において、維持Hb値が欧米に比し低いにもかかわらず生命予後がよい背景には、鉄剤使用量がきわめて低いことが考慮される。腎性貧血患者の背景にある鉄代謝異常により、鉄剤の投与は過剰になりやすく、それがさまざまな問題を惹起している可能性があり、投与量は慎重に検討されるべきである。
©Nankodo Co., Ltd., 2009