慢性腎臓病と老化-Phosphate connection
リンの栄養学 食物中のリンと食品添加物
塩崎 雄治
1
,
宮本 賢一
1徳島大学 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部分子栄養学分野
キーワード:
血液透析
,
死亡
,
食事療法
,
食品添加物
,
食品中のリン
,
食品中のタンパク質
,
腎不全-慢性
,
腸管吸収
,
リスク
,
リン酸
,
診療ガイドライン
,
栄養指導
,
慢性腎臓病
,
食事摂取基準
Keyword:
Food Additives
,
Diet Therapy
,
Death
,
Dietary Proteins
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Intestinal Absorption
,
Risk
,
Phosphoric Acids
,
Phosphorus, Dietary
,
Practice Guidelines as Topic
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Recommended Dietary Allowances
pp.69-78
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2015127402
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高リン血症は慢性腎臓病(CKD)患者に共通してみられる病態であり,副甲状腺機能亢進症や腎性骨症の原因となるばかりでなく,その悪化は血管石灰化の進行や心血管系イベントの増加を招き,死亡率の上昇を招く.これらのことからCKD患者の病態管理において高リン血症の予防とその是正は非常に重要であり,これはリン吸着薬の投与と食事性リン制限の併用により行われる.われわれが食事から摂取するリンは,おもに高蛋白質食品または食品添加物に由来し,これはCKD患者において体内リンバランスを決定する重要な因子である.無機リン酸は有機リンに比べて吸収率が良いため,とりわけ添加物であるリン酸化合物(PO4)は日常の食生活で摂取するリンの量を著しく増加させるおそれがある.加えて,加工食品に含まれるリンの量やその種類に関する情報は提示されていないか,あるいは不正確であることが多い.以上から,CKD患者に対して献立や食事計画を考える場合には,食品および食事中に含まれるリンの絶対量(添加物としてのリンを含む)と蛋白質に対するリン含量比の両方を考慮すべきである.
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