TOPICS 文献紹介〈炎症関連*〉
寛解期潰瘍性大腸炎患者におけるインフリキシマブの休薬についての多施設共同非盲検ランダム化比較試験(HAYABUSA)〔Review from─Lancet Gastroenterol Hepatol 2021;6:429-437〕
小林 拓
1
,
本谷 聡
2
,
中村 志郎
3
,
山本 隆行
4
,
長堀 正和
5
,
田中 信治
6
,
久松 理一
7
,
平井 郁仁
8
,
仲瀬 裕志
9
,
渡辺 憲治
10
,
松本 主之
11
,
田中 正則
12
,
阿部 貴行
13
,
鈴木 康夫
14
,
渡辺 守
5
,
日比 紀文
1
1北里大学北里研究所病院炎症性腸疾患先進治療センター
2JA北海道厚生連札幌厚生病院IBDセンター
3大阪医科大学第2内科(消化器内科)
4四日市羽津医療センター
5東京医科歯科大学消化器内科
6広島大学病院内視鏡診断科
7杏林大学消化器内科
8福岡大学消化器内科
9札幌医科大学消化器内科
10兵庫医科大学炎症性腸疾患センター内科
11岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科・消化管分野
12弘前市立病院臨床検査科
13横浜市立大学データサイエンス学部
14東邦大学医療センター佐倉病院内科
キーワード:
炎症性腸疾患
,
潰瘍性大腸炎
,
インフリキシマブ
,
休薬
,
ランダム化比較試験
Keyword:
炎症性腸疾患
,
潰瘍性大腸炎
,
インフリキシマブ
,
休薬
,
ランダム化比較試験
pp.441-444
発行日 2021年12月20日
Published Date 2021/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000645
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慢性疾患である炎症性腸疾患患者が抗TNFα抗体製剤などの生物学的製剤で治療される場合,維持投与を継続することが原則であるが,その長期使用は悪性腫瘍や感染症のリスクを上げる可能性もある.長期維持療法を受ける患者数が増えるにつれて,一部の患者ではこれらの治療法を中止できるのではないかというクリニカルクエスチョンが生じ,いくつかの観察研究の結果が報告されている.しかしながら現状ではこの問いに答えるような質の高いエビデンス,たとえば生物学的製剤の継続と中止の直接比較のような研究は報告されておらず,また抗TNFα抗体製剤中止後再燃の予測因子についてのコンセンサスは存在しない.すなわち維持療法中の潰瘍性大腸炎の患者が抗TNFα抗体製剤を中止できるかどうか,またいつ中止できるかは不明なままである.
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