特集 大腸Ⅱc─革命のその後
Ⅲ.各分野における大腸Ⅱcの現状,存在意義と課題(2)開業医の立場から b.クリニックの大腸腫瘍の解析からみた大腸Ⅱcの存在意義
寺井 毅
1
,
村上 敬
2
,
渡辺 英伸
3
1寺井クリニック
2順天堂大学消化器内科
3PCLジャパン病理細胞診センター
キーワード:
大腸Ⅱc
,
陥凹型早期大腸癌
,
発育形態分類
,
拡大内視鏡
,
クリニック
Keyword:
大腸Ⅱc
,
陥凹型早期大腸癌
,
発育形態分類
,
拡大内視鏡
,
クリニック
pp.380-389
発行日 2021年12月20日
Published Date 2021/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000637
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大腸Ⅱcの現状と存在意義を再確認するため,クリニックで内視鏡で拡大観察され切除された大腸腺腫と早期癌11,296病変を発育形態分類に準じて解析した.隆起型5,934例,平坦型5,255例,陥凹型107例に分類し,臨床病理学的に比較検討を行った.陥凹型の病変頻度は1.0%であった.T1癌の頻度は,隆起型0.5%と平坦型0.4%に対して,陥凹型は21.5%と有意に陥凹型で浸潤傾向が強かった(p<0.0001).また陥凹型に関しては,ⅡcとⅡc+Ⅱa 3.3%,Ⅱa+Ⅱc 26.6%,Ⅰs+Ⅱc 38.5%とT1癌の頻度が上昇し,腫瘍径が10mmを超えると80.0%と高率で浸潤癌の頻度が高くなり,これまでの報告同様陥凹型の悪性度が再確認された.画像強調内視鏡診断やAI診断の今の時代に病変の陥凹形態を慎重に観察していく診断体系を改めて見直し,次の内視鏡の世代へと継承していく大腸Ⅱcの存在意義が確認された.
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