特集 大腸癌のスクリーニングとサーベイランスの標準化に向けて─ 新しい知見から
序説:「 大腸内視鏡スクリーニングとサーベイランスガイドライン」の紹介
斎藤 豊
1
,
関口 正宇
1,2
,
松田 尚久
1,2
1国立がん研究センター中央病院内視鏡科
2国立がん研究センター中央病院検診センター
pp.5-8
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000541
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1992年と世界でも早い段階で対策型大腸がん検診が導入された本邦において,近年,大腸がんの年齢調整死亡率は減少傾向に転じている.しかし,その減少のカーブは十分とはいえず,罹患数,死亡数ともにいまだ多いという現状である.そのような状況下,全大腸内視鏡検査(TCS)を有効活用し,本邦の大腸がんスクリーニングをさらに充実させることは喫緊の課題である.さらに,スクリーニングにて指摘された大腸早期がんや前がん病変を治療した後のサーベイランスの指針を整備することも,大腸がん死亡・罹患を抑制する観点から重要である.対策型検診においてもTCSを組み入れた検診の導入が議論されつつあるなか,日本消化器内視鏡学会から,スクリーニング・サーベイランスにおける大腸内視鏡検査についての指針を示す必要性が高まってきていた.
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