特集 無痛大腸内視鏡挿入法─ technique & device
Ⅱ.総論(1)軸保持短縮法の基本
山野 泰穂
1,2
,
吉井 新二
1,2
,
仲瀬 裕志
1
1札幌医科大学医学部消化器内科学講座
2札幌医科大学附属病院消化器内視鏡センター
キーワード:
大腸内視鏡
,
大腸内視鏡挿入法
,
軸保持短縮法
,
UPD(Endoscope Position Detecting Unit:内視鏡挿入形状観測装置)
Keyword:
大腸内視鏡
,
大腸内視鏡挿入法
,
軸保持短縮法
,
UPD(Endoscope Position Detecting Unit:内視鏡挿入形状観測装置)
pp.99-104
発行日 2020年6月20日
Published Date 2020/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000453
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大腸は柔軟性・伸縮性に富み,かつ複雑であるばかりではなく個人差もあり,多彩な形状を示す管腔臓器である.この大腸にスコープを挿入する方法として軸保持短縮法がある.その内容はストラテジー(戦略)とタクティクス(戦術)に分けて考えると理解しやすい.ストラテジーとは結腸,直腸に5 カ所の固定点を想定し,これらを直線で結ぶ経路を軸と称し,これになぞらえるように腸管およびスコープを修正し挿入していくことで腸管が過伸展することなく安全,無痛性に挿入できるとした全体構想である.タクティクスとは実際の局面でどのように操作するべきなのかの実践であるが,スコープ軸を保持するように操作することがスコープ動作を掌握するうえで重要である.また腸管はさまざまな形状を示すため,スコープ軸は時に一つとは限らず,これらの軸を最終的には固定点を結んだ軸に一致させることを,机上および実際のUPD 画像を通じて解説した.
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