特集 大腸腫瘍診断のモダリティと新たな展開─ 存在診断能・質的診断能の向上を目指して
Ⅰ.通常内視鏡における存在診断能向上の検討(2)通常内視鏡での画像強調観察 b.NBI による診断能の向上の可能性
藤井 隆広
1
1藤井隆広クリニック
キーワード:
N arrow Band Imaging( NBI)
,
表面陥凹型腫瘍
,
O-ring sign
,
色素内視鏡
Keyword:
N arrow Band Imaging( NBI)
,
表面陥凹型腫瘍
,
O-ring sign
,
色素内視鏡
pp.405-412
発行日 2017年9月20日
Published Date 2017/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000094
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大腸表面型腫瘍のスクリーニングは,内視鏡機器の進化とともに白色光(whitelight imaging;WLI)からNarrow Band Imaging(NBI)などの画像強調観察へと変わりつつある.当院でのWLI とNBI の腫瘍発見能の比較検討では,NBIがLST-NG の発見に有用であった.また,陥凹型腫瘍のNBI 所見は,陥凹面が白色調,反応性隆起部はbrownish に視認され,これを“O-ring sign”と呼び,NBI による陥凹型腫瘍発見の特徴像と考えられた.なお,盲腸に限局してWLI→NBI→ インジゴカルミン色素(chromoendoscopy;CE)の順に微小腺腫の発見数を前向きに検討したところ,CE 47 病変>NBI 37 病変>WLI 11病変で,最終観察のCE で発見された微小腺腫が最多であり,CE がそのほかに比較しもっとも有用であった.現状の全大腸スクリーニングには,NBI 観察による盲腸からの抜去観察が有用だが,将来に向けては色素観察を超える画像強調観察の開発が期待される.
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