Japanese
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特集 血管炎・血行障害・紫斑病
広範な血栓性静脈炎を呈し腸管ベーチェット病が疑われた1例
A Suspected Case of Intestinal Behçet’s Disease with Extensive Thrombophlebitis
宮本 翔子
1,2
,
山村 里恵
3
,
敷地 孝法
3
,
三好 彩佳
1
,
花田 健太
4
,
稲葉 香織
4
Shoko MIYAMOTO
1,2
,
Rie YAMAMURA
3
,
Takanori SHIKIJI
3
,
Ayaka MIYOSHI
1
,
Kenta HANADA
4
,
Kaori INABA
4
1徳島県立中央病院,医学教育センター
2兵庫医科大学,皮膚科学教室
3徳島県立中央病院,皮膚科(主任:敷地孝法部長)
4徳島県立海部病院,総合診療科
キーワード:
腸管ベーチェット病
,
血栓性静脈炎
Keyword:
腸管ベーチェット病
,
血栓性静脈炎
pp.1150-1153
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002080
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60歳,男性。38°C台の発熱と両側側腹部に疼痛を伴う網状の紅斑が生じ,その後,胸部や両上肢にも拡大した。病理組織学的所見は血栓性静脈炎であった。下部消化管内視鏡検査では,回盲部にアフタ性潰瘍が散在していた。口腔内アフタ性潰瘍,皮膚症状の2つの主症状,消化器病変の1つの副症状はあったものの診断基準は満たさず,診断は腸管ベーチェット病の疑いにとどまった。ベーチェット病の皮膚症状として血栓性静脈炎は代表的であるが,通常下腿の一部に生じることが多い。自験例では躯幹に広範な血栓性静脈炎が生じ,非常にまれな症例であると考えた。
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