特集 大腸腫瘍治療後のサーベイランス
7 .大腸カルチノイド腫瘍(NET)摘除後の対応
関口 正宇
1,2,4
,
坂本 琢
2
,
関根 茂樹
3
,
高丸 博之
2
,
山田 真善
2
,
谷口 浩和
3
,
松田 尚久
1,2,4
,
斎藤 豊
2
1国立がん研究センター中央病院検診センター
2国立がん研究センター中央病院内視鏡科
3国立がん研究センター中央病院病理科
4国立がん研究センター社会と健康研究センター検診開発研究部
キーワード:
大腸カルチノイド
,
neuroendocrine tumor (NET)
,
内視鏡治療
,
Ki—67指数
,
脈管侵襲
Keyword:
大腸カルチノイド
,
neuroendocrine tumor (NET)
,
内視鏡治療
,
Ki—67指数
,
脈管侵襲
pp.1015-1023
発行日 2018年6月20日
Published Date 2018/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000439
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日常臨床で遭遇する機会が増えている大腸カルチノイド(neuroendocrine tumor;NET)であるが,治療法決定から治療後の対応に至るまで,その取り扱いに関しては十分にコンセンサスが得られていない.治療方針は,腫瘍径,深達度,細胞増殖能,脈管侵襲などの転移関連因子に基づいて決められ,転移リスクがきわめて低いと考えられる病変は内視鏡治療の対象となるが,内視鏡治療後もしくは治療前より転移リスクを有すると判断される場合には根治手術の適応となる.とくに直腸病変では,内視鏡治療と根治手術の侵襲の違いは大きく,慎重な治療方針決定を要するが,細胞増殖能,脈管侵襲などその結果の解釈に苦慮する項目が少なくないのが現状である.サーベイランスについてもコンセンサスの得られた定まった方法は未だ存在せず,今後,さらなる知見の集積が期待される.
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