Japanese
English
今月の主題 大腸sm癌の深達度診断―垂直浸潤1,000μm
序説
大腸sm癌の深達度診断―垂直浸潤1,000μm
Introduction
渡辺 英伸
1
Hidenobu Watanabe
1
1新潟大学名誉教授
キーワード:
大腸sm癌
,
sm垂直浸潤長
,
1mm
,
リンパ節転移陰性
Keyword:
大腸sm癌
,
sm垂直浸潤長
,
1mm
,
リンパ節転移陰性
pp.1325-1328
発行日 2004年9月25日
Published Date 2004/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100563
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
はじめに
大腸の粘膜下層浸潤癌(以下,sm癌)のうち,どのような状態のsm癌であれば内視鏡切除が可能か,または内視鏡切除された大腸癌のうち,どのような状態のsm癌であれば外科追加切除の必要性はないのか,という課題は長きにわたって病理形態学的見地から検討されてきた.種々の病理形態学的因子のうち,最もわかりやすく,単純な因子として,sm垂直浸潤長(距離)が有用であることが明らかになってきた.
すなわち,“粘膜筋板下端からのsm垂直浸潤長が1mm(1,000μm)未満のsm癌で,リンパ管や血管浸潤が陰性の癌”は内視鏡切除の適応であり,内視鏡切除された同様のsm癌は追加外科切除が不要であろうとの意見が病理側から提示され,それが次第に賛同を得つつある.
このような背景から本号ではsm垂直浸潤長が1mmまでのsm癌について,その術前診断の現況,効率の良い診断体系,診断精度向上のための問題点を明らかにし,日常診療の中で,大腸sm癌の内視鏡治療と外科手術の適応を効率よく鑑別することを目的としている.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.