特集 リンチ症候群と遺伝性消化管ポリポーシス
2.遺伝性消化管ポリポーシス(3)MUTYH 関連ポリポーシス
田村 和朗
1
1近畿大学理工学部生命科学科
キーワード:
DNA 修復システム
,
MUTYH 関連ポリポーシス
,
塩基除去修復
,
遺伝学的検査
,
常染色体劣性遺伝
Keyword:
DNA 修復システム
,
MUTYH 関連ポリポーシス
,
塩基除去修復
,
遺伝学的検査
,
常染色体劣性遺伝
pp.619-627
発行日 2019年5月20日
Published Date 2019/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000757
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大腸ポリポーシスの中にMUTYH 遺伝子の両アレル変異が関わっている症例が存在することが明らかになり,MUTYH 関連ポリポーシス(MUTYH‒associated polyposis;MAP)と命名された.大腸のポリープ数は少ない傾向にあり,大腸がん罹患年齢も比較的高齢である.MUTYH 遺伝子は酸化DNA 障害の塩基除去修復機構に関わるα‒glycosylase をコードしており,その機能異常は多くの臓器で腫瘍発生を生じやすい状態を示している.本症の存在は大腸ポリポーシスが遺伝的異質性の存在する疾患であることを証明した.患者および血縁者の生涯にわたるサーベイランスを考えるとき,MUTYH 遺伝子情報が重要と考えられる.
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