Japanese
English
特集 十二指腸乳頭部腫瘍―診断と治療をめぐる最近の話題
十二指腸乳頭部癌の遺伝子異常
Genetic Events in Carcinoma of the Ampulla of Vater
長谷川 恭久
1
,
味木 徹夫
1
,
黒田 嘉和
1
Yasuhisa HASEGAWA
1
,
Tetsuo AJIKI
1
,
Yoshikazu KURODA
1
1神戸大学医学部第一外科
1The First Department of Surgery, Kobe University School of Medicine
キーワード:
十二指腸乳頭部癌
,
癌遺伝子
,
癌抑制遺伝子
,
LOH
,
ゲノム不安定性
Keyword:
十二指腸乳頭部癌
,
癌遺伝子
,
癌抑制遺伝子
,
LOH
,
ゲノム不安定性
pp.173-178
発行日 2001年3月15日
Published Date 2001/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900270
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病理形態学的検討から十二指腸乳頭部癌の発癌過程においてadenoma-carcinoma se-quenceやde-novo型発癌の存在が注目されている.また遺伝子解析の進歩に伴い,遺伝子異常の蓄積が癌の発生・進展に深く関与することが知られている.本稿では乳頭部癌の遺伝子異常について最新の知見を中心に概説した.乳頭部癌において癌遺伝子(K-ras,c-erb B-2)や癌抑制遺伝子(p53,APC)の異常,種々の染色体(5q,17p,18q)の相同性の欠失(LOH),ゲノム不安定性などの遺伝子変化が認められ,分子生物学的に胃癌や大腸癌と類似した発生・進展の経路が存在することが示唆された.さらなる遺伝子解析が乳頭部癌の発生・進展の理解を深めるものと期待される.
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