発行日 2001年1月1日
Published Date 2001/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2001149299
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癌の分子生物学的な研究の急速な進歩により,得られた成果が実際に臨床応用されつつある.このことは甲状腺癌の分野においても例外ではない.その顕著な例は,遺伝性髄様癌におけるRET遺伝子の変異であり,保因者には生殖細胞系での異常が認められ,血液による遺伝子診断が施行されている.また未分化癌では高頻度にp53の変異が認められ,遺伝子治療への応用が期待されている.分化癌については,現在のところ臨床応用可能な研究成果は認められない.しかし,乳頭癌の予後不良例における染色体欠失の検討など今後発展が期待される研究もみられている
©Nankodo Co., Ltd., 2001