特集 大腸腫瘍診断のモダリティと新たな展開─ 存在診断能・質的診断能の向上を目指して
Ⅱ.拡大・超拡大内視鏡における質的診断能向上の検討(1)拡大内視鏡診断 b.NBI を主体とした拡大内視鏡観察の立場から(JNET 分類)
住元 旭
1
,
田中 信治
1
,
林 奈那
1
,
二宮 悠樹
2
,
田丸 弓弦
2
,
平野 大樹
2
,
岡 志郎
2
,
茶山 一彰
2
1広島大学大学院医歯薬保健学研究科内視鏡医学
2広島大学大学院医歯薬保健学研究科消化器・代謝内科学
キーワード:
JNET 分類
,
NBI 拡大内視鏡
,
surface pattern
,
vessel pattern
,
大腸腫瘍
,
pit pattern 診断
Keyword:
JNET 分類
,
NBI 拡大内視鏡
,
surface pattern
,
vessel pattern
,
大腸腫瘍
,
pit pattern 診断
pp.442-448
発行日 2017年9月20日
Published Date 2017/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000099
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
2014 年に本邦の「大腸NBI 拡大観察所見統一分類(JNET 分類)」が提唱された.本分類は,vessel pattern とsurface pattern を診断指標としたType1,2A,2B,3 の四つのカテゴリー分類で,Type 1 は過形成/SSP,Type2A は腺腫〜低異型度粘膜内癌,Type 2B は高異型度粘膜内癌/SM 軽度浸潤癌,Type 3 はSM 高度浸潤癌の指標である.Type 1,2A,3 は,それぞれの予想組織型に対し信頼性の高い診断指標であるため,Type 1 は経過観察,Type2A は内視鏡的治療,Type 3 は外科的切除の方針と決定できる.しかし,Type2B は高異型度粘膜内癌/SM 軽度浸潤癌に対する特異度が低いため,色素を用いたpit pattern 診断などを追加し,総合的に深達度診断を行うことが推奨される.
Copyright © 2017, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.