特集 大腸腫瘍診断のモダリティと新たな展開─ 存在診断能・質的診断能の向上を目指して
Ⅰ.通常内視鏡における存在診断能向上の検討(3)超広角視野内視鏡 a.FUSE
工藤 豊樹
1
,
斎藤 豊
2
,
池松 弘朗
3
,
堀田 欣一
4
,
竹内 洋司
5
,
石川 秀樹
6
,
森 悠一
1
,
前田 康晴
1
,
工藤 進英
1
1昭和大学横浜市北部病院消化器センター
2 国立がん研究センター中央病院内視鏡科
3国立がん研究センター東病院消化管内視鏡科
4静岡県立静岡がんセンター内視鏡科
5大阪国際がんセンター消化管内科
6京都府立医科大学分子標的癌予防医学
キーワード:
Full-spectrum endoscopy(FUSE)
,
大腸腫瘍
,
interval cancer
,
adenoma miss rate(AMR)
,
adenoma detection rate(ADR)
Keyword:
Full-spectrum endoscopy(FUSE)
,
大腸腫瘍
,
interval cancer
,
adenoma miss rate(AMR)
,
adenoma detection rate(ADR)
pp.421-428
発行日 2017年9月20日
Published Date 2017/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000096
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Full-spectrum endoscopy(FUSE)はスコープ先端の両側面にCCD レンズが搭載された次世代の内視鏡システムであり,大腸内視鏡検査における病変見逃しの改善が大いに期待されている.海外で行われた前向きランダム化比較試験の結果では,FUSE の腫瘍見逃し率(adenoma miss rate;AMR)が従来型前方視野内視鏡と比較し有意に低値であったと報告された.しかし,その後の前向き試験では腫瘍発見率(adenoma detection rate;ADR)では差がないという報告もあり,現在FUSE の病変発見能における有用性に若干の矛盾も生じている.すでに報告のある欧米の結果とまた本邦で施行されている多施設共同無作為化比較試験(J-FUSE STUDY)の概要を中心に解説した.
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