特集 腸内細菌をめぐって
Ⅲ.機能性胃腸症と腸内細菌(3)消化管運動と腸内細菌
鎌田 和浩
1
,
内藤 裕二
1
1京都府立医科大学消化器内科
キーワード:
腸内細菌
,
消化管運動
,
短鎖脂肪酸
,
胆汁酸
,
消化管ホルモン
Keyword:
腸内細菌
,
消化管運動
,
短鎖脂肪酸
,
胆汁酸
,
消化管ホルモン
pp.326-330
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000078
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ここ数年間での解析法の発達により,腸内細菌叢の研究は目覚ましい進歩を遂げている.腸内細菌はわれわれの消化管でうまく共生しつつ,一方でわれわれにさまざまな影響を及ぼしている.消化管は腸内細菌叢の第一の接触部位であるとともに,それぞれにさまざまな信号伝達が行われている.消化管運動に関しても,腸内細菌の代謝物である短鎖脂肪酸,および胆汁酸の消化管内のG タンパク質受容体を介して,生体内への信号が送られることにより,消化管運動にかかわるPYY といった消化管ホルモンやセロトニンを代表とする神経伝達物質の分泌を刺激し,その運動調節に関与していると考えられている.また,消化管運動に影響する生理活性物質を放出する腸内細菌も存在している.
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