特集 高齢者・超高齢者消化管癌の内視鏡治療
2 .各論(3)大腸癌の治療 d.外科的治療の適応と実際
福長 洋介
1
,
上野 雅資
1
,
藤本 佳也
1
,
小西 毅
1
,
秋吉 高志
1
,
長嵜 寿矢
1
1がん研有明病院消化器外科
キーワード:
高齢者大腸癌
,
術後合併症
,
低侵襲治療
,
術前術中指標
Keyword:
高齢者大腸癌
,
術後合併症
,
低侵襲治療
,
術前術中指標
pp.721-725
発行日 2017年6月20日
Published Date 2017/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CGJ.0000000014
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日本人の高齢化が進み,また食生活の欧米化 に伴う大腸癌罹患率,死亡率が進むなか,高齢 大腸癌患者に対する治療は実臨床において非常 に重要かつ真剣に取り組むべきテーマの一つで ある.高齢者はさまざまな基礎疾患を有するこ とが多いとされ,術前にいろいろな角度から評 価する必要がある.簡単に指数として出せて, かつ術後合併症,さらには長期予後の予測にも 有用であるというような指標も報告されている ので,これらをうまく使って適応を考慮すべき である.また手術術式あるいは術中の指標を評 価する方法も各種報告がある.当科では低侵襲 な腹腔鏡手術が有用であろうと考えているが, その習熟や病院の環境にもよるので適切に判断 する必要がある.さらに内視鏡治療と根治的外 科手術の境界を埋めるような低侵襲治療も開発 中である. 患者個々の背景因子,腫瘍因子を考慮して総 合的に外科的治療の適応を決定すべきである.
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