今月の主題 注目のグラム陽性菌
腸球菌
腸球菌の高度薬剤耐性―ゲンタマイシン・ペニシリン・バンコマイシン耐性
池 康嘉
1,2
Yasuyoshi IKE
1,2
1群馬大学医学部微生物学教室
2群馬大学薬剤耐性実験施設
キーワード:
腸球菌
,
薬剤耐性
,
接合伝達性プラスミド
Keyword:
腸球菌
,
薬剤耐性
,
接合伝達性プラスミド
pp.443-448
発行日 1996年4月15日
Published Date 1996/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902887
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近年,腸球菌の臨床分離頻度が増加している.欧米においては高度多剤薬剤耐性腸球菌が最も重要な院内感染原因菌となっている.腸球菌はセフェム・アミノグリコシド系薬剤に自然耐性で,しかもすべての薬剤に獲得耐性となる.重症院内感染の原因となる薬剤耐性は高度ゲンタマイシン,ペニシリン,バンコマイシン耐性である.腸球菌には,グラム陽性菌では唯一の高頻度接合伝達性プラスミノゲンが存在し,これらの薬剤耐性の拡がりに関与している.〔臨床検査40:443-448,1996〕
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