特集 膵・消化管神経内分泌腫瘍の診療アップデート
巻頭言
伊藤 鉄英
1,2
1福岡山王病院膵臓内科・神経内分泌腫瘍センター
2国際医療福祉大学医学部消化器内科
pp.499-501
発行日 2025年4月20日
Published Date 2025/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003432
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神経内分泌腫瘍(neuroendocrine neoplasm;NEN)は内分泌細胞および神経細胞から発症する腫瘍の総称である.希少疾患であるが,わが国で施行された全国疫学調査では増加傾向にある.さらに最近施行されたレジストリーコホート研究により,徐々に日本でのNEN疾患の特徴もわかってきた.日本神経内分泌腫瘍研究会(JNETS)では日本における膵・消化管NENの診断および治療の標準化を目指し,「膵・消化管神経内分泌腫瘍(NET)診療ガイドライン」を2015年に日本で初めて発刊した.その後,NENに関して多くの新たな動向があり診療ガイドラインの改訂が必要となり2019年9月に「膵・消化管神経内分泌腫瘍(NEN)診療ガイドライン2019年(第2版)」を発刊した.診断,病理,外科治療,内科・集学的治療,MEN1/VHLの五つのカテゴリーに分類してClinical Question (CQ)を作成した.また,探索的な範囲に対してはコンセンサスとエビデンスを考慮して“コラム”を作成した.なお,本稿では高分化型のNENはNET (neuroendocrine tumor),低分化型のNENはNEC (neuroendocrine carcinoma)と記載する.

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