特集 注目すべき高齢者の腹部救急疾患診療
3.外科の視点から(2)高齢者の大腸穿孔に対する外科的治療戦略
寺本 賢一
1
,
山下 裕玄
1
,
服部 桜子
1
,
岩田 亮平
1
,
萩原 謙
1
,
岡村 行泰
2
1日本大学病院消化器外科
2日本大学医学部外科学系消化器外科学分野
キーワード:
大腸穿孔
,
Hartmann手術
,
局所陰圧閉鎖療法
Keyword:
大腸穿孔
,
Hartmann手術
,
局所陰圧閉鎖療法
pp.434-440
発行日 2025年3月20日
Published Date 2025/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003409
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大腸穿孔は,容易に敗血症となり死に至る予後不良な疾患であるが,その死亡率は年々低下傾向にある.穿孔原因としては憩室炎穿孔によるものが多くなっている.術前の全身状態が予後に大きく関係するため,早期診断がとても重要である.術式選択は,Hartmann手術を選択することが多かったが,全身状態や腹腔内の汚染状況により,一期的切除吻合することも許容されうる.状況に応じて一時的な回腸瘻造設の追加もある.腹腔鏡下手術は腹腔内の汚染が少なく,イレウスを伴わない症例に限って行われていることが多い.術後合併症のうち高頻度に起こりうる創感染(SSI)への対策としては,局所陰圧閉鎖療法の有用性が示されている.

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