特集 上部消化管内視鏡を見直す ―基本から応用まで
12.上部消化管腫瘍の質的診断におけるAIの役割
貝瀬 満
1
,
樋口 和寿
1
,
後藤 修
1
,
岩切 勝彦
1
1日本医科大学消化器内科学
キーワード:
AI内視鏡
,
表在性胃腫瘍
,
内視鏡医AI相互作用
Keyword:
AI内視鏡
,
表在性胃腫瘍
,
内視鏡医AI相互作用
pp.97-104
発行日 2024年12月20日
Published Date 2024/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003324
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通常白色光内視鏡では早期胃癌の20~40%が見逃され,その対策としてAIの活用が期待されている.臨床使用可能な胃上皮性腫瘍のAIであるgastroAITM model-Gは,内視鏡医が拾い上げた病変の白色光静止画像を解析し,腫瘍・非腫瘍鑑別のため生検を考慮すべきか否かを表示する.撮影距離や角度によって異なる解析結果となりうるため,複数画像でのAI支援が推奨され,内視鏡医が最終診断を下す.生検候補部位には矩形が表示され,複数画像で同一部位に矩形が表示されれば腫瘍の可能性が高い一方,異なる場合は吟味が必要である.上部消化管腫瘍の質的診断AIは発展途上であり,地図状発赤などを要生検としてしまう特異度の課題の解消とともに,AIの有効活用には内視鏡医自身の診断能の向上も不可欠である.
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